背景

本章では背景と,想定するユースケースを説明します.

イラストや漫画の作画では,一般に透視図法が用いられます. 透視図法では同じ軸方向に対して, ある長さがどのように変化するかを容易に得ることができます(下図(1)). また,異なる長さは対角線を利用した分割が有効です(下図(2)). しかしながら,異なる軸方向に対して同一の寸法を得る(下図(3)) 簡便な手法が,筆者が調べた範囲では見あたりませんでした.

透視図法の例
透視図法の例
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そこで,作図的な方法でなく3D CADを活用した方法について検討します. 筆者は同人誌の作成において下描きでおおよその構図を定めたあと 背景を描き入れることが多いです.そこで以下のような手順を想定します.

手順作業イメージ
1.人物などをメインに構図決め下描きの例
2.妥当な位置にカメラを配置下描きに対するカメラ配置
3.他のオブジェクトを配置他のオブジェクトの配置
4.レンダリングレンダリング結果

なお,理論的な背景,およびそれをもとに作図する方法については 下記の資料1が大変参考になりました. 本稿で説明する内容の多くは,同じ著者さんの文献2 3 4を参考にしています. 体系的に整理された資料を公開いただいていることに心から感謝いたします.

本稿は,ほぼこれらの資料に対する筆者の読書メモではありますが, 自身の理解のためと,もし同じところで悩んだ方の助けになればと思い 執筆いたしました.


  1. パースフリークス

  2. Blenderでカメラ位置合わせ(1点透視)

  3. Blenderでカメラ位置合わせ(2点透視)

  4. Blenderでカメラ位置合わせ(3点透視)